新築ステンレスシンクの錆についてお伝えします。

引渡して半年程のお宅でキッチンのステンレスシンクに錆が発生してしまった場合についてお伝えします。

結論

水道水中に含まれる鉄分や塩素分の付着による長時間の放置。

特に新築では水道水に金属片などの鉄屑が混ざっている事が多いです。また、しばらく水を使用しない事で消毒用の塩素の残留濃度が多くなります。

ステンレスについて

そもそもステンレスとはどういうものでしょうか。

ステンレスと聞いて、絶対に錆びない強い金属のイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。

ステンレスは錆びにくくする為に主成分の鉄にクロムやニッケルを含有させ、その表面に「不動態被膜(ふどうたいひまく)」と呼ばれる緻密な保護被膜を形成させた合金です。

被膜は100万分の数ミリしか厚さが無く、条件が揃えば被膜破壊により、錆が発生する事があります。

ステンレス錆の要因

  1. 表面に油脂や塩分を含む汚れ付着の長時間放置。(2,3日程度でも発生)
  2. 水道水中の鉄分や塩素分の付着による長時間の放置。断水後(しばらく水を使わず溜まった水)の水道水には鉄分や塩素分が多い。季節によっても消毒用塩素の残留濃度が多くなる。
  3. 異種金属の接触による電位差腐食(もらい錆)。缶詰、包丁、金タワシの破片等と接触したまま放置。
  4. 塩素系、強酸系の薬液付着やガスによるもの。アルカリ系漂白剤や塩素系の洗浄剤など。ぬめり取剤での塩素ガスによるもの。
  5. 浄化槽から排水を上がってくる消毒剤によるもの。使用前の排水トラップ内での水封に水が無い状態でシンクに塩素ガスが上がって錆が発生。

上記のステンレス錆の要因を取り除き、こまめにお手入れすれば、長い間綺麗に保つ事が出来ます。取り扱い説明書を参照下さい。

キッチンシンク錆状況と原因

ステンレスシンクの錆の原因は上記の様に様々あります。

今回のお宅のシンク錆の状況は、・新築間もない・浄化槽がない・引っ越し前に水を使用しシンクに水滴が付着したまま放置した・漂白剤やぬめり取り剤を使用していない、

などから、水道水中に含まれる鉄分や塩素分の付着による長時間の放置が原因の可能性が高いです。

新築や増築時に発生しやすいこの症状は、一度では終わらず、安定するまで3〜6ヶ月程起きる可能性があります。

防止策としては、入居時に水、お湯をそれぞれ10分程吐水状態にし、水道管内の金属片やゴミを吐き出す事が必要です。

最後にシンクに飛び散った水滴を拭き取る事もお忘れなく。

錆が発生してしまったら、可能な限り錆を研磨しご使用下さい。

最後に

ステンレスシンクは錆びないものではありません。使い方によって錆が発生します。

上記のステンレス錆の要因に気をつけて長い時間綺麗なシンクに保つ様に心掛けたいものです。

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