結論
陥没の原因は
- 造成時の不備(転圧不足や井戸埋め戻し不十分など)
- 仕上げ外構整地時の転圧不足
- 水道(みずみち)が出来ている
対処方法は土を投入する
この記事では、庭の土が陥没するのは何故?どうしたらいいの?と言う疑問にザックリお応え致します。
庭土陥没の状況確認
戸建てにお住まいのお客様より、庭の土が陥没していると問い合わせがありました。
お話を伺うと、裏庭の方でコンクリートブロック位の大きさの穴が空いているとのこと。
現地確認すると、そこは造成地で、裏庭の擁壁に近い所で陥没していました。陥没の穴の大きさは400㍉×200㍉で深さ300㍉ほどの大きさでした。結構大きいです。
引き渡しから2年ほどの住宅で、災害級の大雨が降って以降、気づいたとのお話でした。
小さなお子様もいる為、不安を抱いているご様子でした。
いきなりこの様な穴が空いたら、不安に思いますよね。
陥没の原因
陥没の原因は様々ありますが、主に三つあります。
一つ目の原因は、造成時の施工不備です。
造成とは建物が建てれるよう、その土地の形や区画を整えることをいいます。伐採、伐根、盛土、切土、擁壁、地盤改良などの事です。
造成時は上記のような工事を行う中で、除去できない大きな岩など特殊な物があると陥没の原因となる場合があります。
また前の土地に井戸や浄化槽があり、その井戸の埋め戻しや処置が不十分であると陥没の原因になりえます。
原因として多いのは、転圧(土を専用の機械などで締め固める)不足でしょう。
基本的には晴れの日に実施する、どのような転圧機を使うのか、何センチ毎に転圧するのかなど、状況に合わせた転圧時のマニュアルがありますが、人が行う事なので全て完璧に実施出来ているとは限りません。
例えば、雨が少し降っていたり、隅々まで転圧出来ていなかったりします。
そうなると後々陥没に至る事はあります。ただ、原因を特定するのは難しく、多くの場合推測しか出来ません。
二つ目の原因は、仕上げ外構の整地時の転圧不足です。
整地とは地面を固めて平らにする事です。
一般的に建築の流れとしては、造成された土地に建物が立ち、建物周りのお庭に真砂土や既存の土などを投入し、転圧して仕上げる形になります。
その転圧が不十分だった場合が考えられます。
特に家の周りの地中には、給水管や汚水管、雨水管などが埋設されており、その周りは転圧しにくい為、陥没(土のさがり)が発生しやすいです。
転圧機などで締め固め過ぎると配管が割れたりする為、デリケートゾーンです。
三つ目の原因は、地中に水道(みずみち)が出来ている。です。
雨や地震などで地中に水道が出でき、土が少しずつ流れて行く場合があります。
今回は、災害級の大雨の後に陥没したとのお話だったので、水道が出来てしまったのでは無いかと思います。
陥没の対処方法
上記に原因を述べたのですが、陥没は地中の状態を目で見る事が出来ない為、原因が特定出来ない事がほとんどです。なので多くは推測になります。
いずれの原因も対処方法としては、陥没箇所に土を投入するしかありません。なるべく押し固めながら、土を投入して下さい。
今回も土を投入し経過観察としました。
深く穴が空いている場合は水で流し込みながら土を投入しましょう。
それで経過観察し、また陥没すれば、また土を投入します。それの繰り返しになります。
転圧不足であれば、ある程度時間が経過すれば落ち着くはずです。
陥没が落ちつかなければ水道が出来ている可能性があります。
土投入以外の方法で、モルタルで陥没箇所を固めると言う物があります。
表面的な陥没は落ち着くと思いますが、見た目では分かりませんが、モルタルの下に空洞ができる為、オススメは出来ません。
面倒でもその都度、土を投入する方法が無難と思います。
最後に
建物を建てる前に地盤調査で家が建てれる状態か確認します。
調査といっても、何箇所か穴を掘り、その地質を調べて土地の大体の状態を知ることしか出来ない為、見えない部分が多いです。
その調査で問題無ければそのまま建築し、自沈層などで地盤が弱ければ地盤改良した上で建築します。
陥没は上記のような人的要因と自然の要因で起こりえます。
今回のような陥没の多くは土の投入で落ち着く場合が多いと思われます。なので、特に建物等に影響は無いと思うので過度に心配する必要は無いです。
ただし、陥没の範囲や深さなどの規模が大きい場合(地盤沈下)などは話が変わってくるので、ハウスメーカーや役所などに相談しましょう。
その土地自体が問題だったり、重大な欠陥があったりしますので、早期対応をお願いいたします。
お客様にも水道の可能性が高いとご説明し納得いただきました。
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